「その傷、まだ消えないのね」
先日、母が私の背中を見ながら心配そうに言いました。
悪気がないのも私のことを大切に思ってくれているのも、痛いほど分かります。
私自身は、ケロイドや傷跡について、そこまで悲観的にはなっていません。 でも、ふとした瞬間にこうして周りの人から心配されると、「ああ、自分には傷があるんだな」と改めて思い出させられて、少しだけ胸がざわつくことがあります。
心配してくれる優しさは嬉しいのに、どう返事をしたらいいか分からなくて、曖昧に笑ってしまう。 そんな経験、あなたにもありませんか?
この記事では、そんな「何て返したらいいんだろう?」というモヤモヤした気持ちを軽くするための、上手な返し方と心の守り方を、私の経験を交えながら紹介します。
同じように悩む人の心が、少しでも穏やかになれば嬉しいです。
なぜ「その傷どうしたの?」にモヤっとするのか
「悪気がないのは分かってる。むしろ、心配してくれている。 頭ではそう理解していても、心が追いつかない時があります。
私の場合は、傷そのものよりも、「相手をがっかりさせたくない」「場の空気を悪くしたくない」という気持ちから、どう振る舞うべきか分からなくなってしまうことが、モヤモヤの正体なのかなと思っています。
「隠したい」「見られたくない」と思うのは、自分を守るための自然な反応。
 だから、そんな自分を責める必要は全くありません。
場面別・上手な返し方(私の場合は…)
完璧な正解なんてありません。 自分が「これなら言えるかも」と思えるものを、コミュニケーションのお守りとして持っておくと、少し心が楽になります。
①職場や知人など軽く流したいとき
- 「ちょっと昔の怪我なんです(あはは)」
- 「昔のことなんであんまり覚えてなくて(あはは)」
- 👉曖昧に、そして笑顔で返すのがコツです。深追いされにくくなるので、私が一番よく使う返し方です。
②親しい友人に聞かれたとき
- 「このニキビ跡(傷跡)、なかなか消えなくて大変なんだよ~」
- 「病院に行ってるんだけどね~あんまり気にしないようにしてるんだ~」
- 👉信頼できる相手には、少しだけ本音を見せると、相手との関係を崩さずに会話が冷え切らずに済みます。
③初対面・知らない人に聞かれたとき
- 「あ、ちょっとしたやつです~!(にこっ)」
- 👉とにかく軽いトーン!「大したことないですよ」という雰囲気を出すことで、相手に気を遣わせずに会話を終えられます。
④話したくないとき
- 「あ、ちょっと今は…(ぺこぺこ)すみません。」
- 👉無理に言葉を続ける必要はありません。申し訳なさそうな態度を少し見せるだけで、聡明な相手なら察してくれます。
無理に説明しなくていい理由
「聞かれたからには、ちゃんと説明しなきゃ」 そう思ってしまうのは、きっとあなたの優しさです。
でも、あなたの体のこと、過去のことを、どこまで誰に話すかは、全てあなたが決めていいこと。 「聞かれたから答える」は、義務ではありません。
相手を気遣うあまり、あなたが傷つく必要はないんです。 その場をやり過ごすだけでも、立派なコミュニケーションだと私は思います。
私の心のもち方ーポジティブでも、ネガティブでもなくー
誰かの一言で、心が揺れる日もあります。 そんな時は、無理に「気にしない!」とポジティブになる必要はありません。
かといって、深く落ち込むのでもなく、私はニュートラルでいることを心がけています。
「傷がある自分」も、自分の一部。 でも、「傷が自分の全て」ではない。
私は洋服が好きで、夏になるとノースリーブのコーディネートに憧れます。 昔、思い切って買ったノースリーブがありましたが、結局一度も着ないまま、タンスの肥やしになってしまいました。
いつかこれを着こなせる日が来るのかな、なんて思いつつも、「まあ、今は半袖のおしゃれを楽しめばいっか」と思っています。 
できないことを嘆くより、今の自分でできることを楽しむ。 そんな風に考えるようになってから、少しだけ心が軽くなりました。
まとめ
「その傷どうしたの?」という一言に、完璧な答えはありません。 その日の体調や相手との関係性によって、うまく返せる日もあれば、心がずしりと重くなる日もあると思います。
無理に笑わなくてもいい。無理に説明しなくてもいい。 「言わない自由」も「説明する自由」も、全部あなたのものです。
この記事が、同じようなモヤモヤを抱えるあなたの、ちょっとしたヒントになれば、心から嬉しく思います。
 
  
  
  
  


コメント